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2009年03月12日

『マンマ・ミーア!』

なんでギリシャでABBAなんだ?!ご心配なく。『マンマ・ミーア!』は冒頭からそんな疑問を振り払ってくれる。世界中で今なお続演中の舞台も、そして、舞台を大画面にバージョンアップした映画も、端からABBAのヒットナンバーを連打して、ミュージカル・ファンは勿論、「突然、歌い始めるなんて不自然で嫌だ」と言い張るアンチ・ミュージカル派をもノリノリにしてくれる。何と言っても、ABBAの曲がめちゃ楽しいのだ。そう、オリジナルの舞台がロングラン記録を塗り替えて幕を下ろした「キャッツ」の後釜として、ブロードウェーのウィンター・ガーデン劇場でで開演した時、メディアが“Terribly Fun!!(めっちゃ楽し~い)”と評したのは、まさに言い得て妙。

エーゲ海を望む孤島でホテルを営むシングルマザー、ドナの一人娘、ソフィが、結婚を間近に控えて実の父親と思しき3人の男性を結婚式に招待する。当然、ドナには内緒で。こうして始まる父親当てクイズのような物語は、言ってみればおでんの串。肝心なのは話の要所要所に挿入されるネタの方。つまり、めくるめくABBAメドレーだ。この串刺し作業の巧さと言ったら、ホント、マンマ・ミーア!である。それはこんな感じだ。

ソフィが“ハニー、ハニー”に乗せて「ホントのパパは誰?」と歌った後(ソフィ役のアマンダ・セイフライドがお茶目で歌も上手)、ドナが“マネー、マネー、マネー”に合わせて「もっと金持ちだったらよかったのに」と熱唱(メリル・ストリープは声量に問題ありだが及第点)。やがて、結婚式にお呼ばれされた旧友のロージーとターニャがドナと再会を喜び合い、島中の女たちを巻き込んで“ダンシング・クィーン”を歌い終わった後、全員で海にドボン!一方、集められた父親候補の3人は、銀行マンのハリー(コリン・ファース。甘い歌声で人気上昇必至)がギターを弾き語る中、建築家のサム(ピアース・ブロスナン。歌はヘタウマ)と冒険家のビル(ステラン・スカルスガルド。邪魔にならずいい案配)が加わって、“アワ・ラスト・サマー”に乗せてそれぞれの青春に想いを馳せる。

ABBAサウンドが一層ヒートアップするのは、結婚前夜のダンス・パーティだ。ABBAが唯一マドンナにサンプリングを許可した“ギミー、ギミー、ギミー”から“ヴーレ・ヴー”へと雪崩れ込む熱い夜は、熱気が客席まで伝わって思わず腰が浮きそうになる。実際、舞台ではアンコールでABBAルックに着がえたドナとロージーとターニャが再登場して、地名が曲名になっているためにさすがに串に刺せなかった“ウォータールー”をかまして、観客をぼぼ全員起立させてしまうのだが、映画でも同じサービスが用意されているのでお楽しみに。また、宣伝部によると、アメリカで「マンマ・ミーア!」マニアを悶絶させたカラオケ・バージョン(歌のシーケンスのみを編集した特別編)が、日本の一部劇場で併映される予定もあるとか。是非、踊ってしまうことを計算に入れて劇場に足を運んで欲しい!!!

『マンマ・ミーア!』



http://cinesc.cplaza.ne.jp/db/review/mo6306/で公開されたもの。



Posted by zaq147 at 16:49│Comments(0)
 
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